偽書(ぎしょ)とは、製作者や製作時期などの由来が偽られている文書・書物のこと。主として歴史学において(つまりはその文献の史的側面が問題とされる場合に)用いられる語である。単に内容に虚偽を含むだけの文書は偽書と呼ばれることはない。
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よく似た言葉に(文書としての)「贋作」がある。贋作は来歴に関する虚偽を含まない模倣本、便乗本などを指す、と区別されることもあるが、必ずしも明確に区別されるとは限らず、時として混同されることもある(ちなみに英語のforgeryにはどちらの意味もある)。本項目では、便宜上来歴に虚偽を含む文書を偽書とした上で概説と例示を行い、併せて関連するトピックについても扱う。
字面から「偽り」すなわち無用と誤解されがちであるが、完全に学問にとって無意味とされる物は後述のオカルト的・詐欺的な例外を除けば少ない。焚書や経年劣化などで歴史上に失われた文書が多いことを鑑みれば、資料が残っている分まだマシな面があるといえる。当時の為政者や作者(と推定される人物)の心理面やその影響力を考察する点では歴史学上の価値もあるが、作為上の意図も踏まえ厳密に検証する必要がある。また民俗学などで民間信仰の変遷を辿る際には手がかりになることもある。偽書の難しい点は宗教・政治的なイデオロギー性を含む例が多々あることであるが、宗教書の場合その意義を必ずしも否定するものではなく両者は別の範疇に入ることに留意する必要がある。また、意図した人為の反映されがちな文献資料 (歴史学)の欠点を補うため考古学的結果(考古資料)に照らし合わせることも行われる。